この問題は、りんごさんに「これまでのパターンを手放して、新しいやり方にシフトしようよ」と伝えるために起きたのかもしれません。
心理カウンセラーのリエコです。
今日は「ココロノマルシェ」に寄せられたご相談に回答します。
ココロノマルシェとは|根本裕幸カウンセラーのお弟子たちが回答する無料のお悩み掲示板です。
カウンセラーの一言にモヤモヤしています
こんにちは。いつもこちらを利用させていただいております。似たような境遇の方の質問も読んで、参考にさせていただいています。本当にありがとうございます。
今日はカウンセリングのことについて、質問したいなと思います。
今継続して受けているカウンセラーの方がいて、この前ちょうど4回目のカウンセリングを受けました。それまではすごく解答も納得できるもので、非常に満足度も高かったです。
ですが、この前のカウンセリングで言われたカウンセラーさんの一言に、モヤモヤしています。
今まで私が我慢して生きてきたことを教えてくれて、そこまではよかったんですが、「その生き方は間違っている」「それはダメです」ってハッキリと言われてしまい、正直傷つきました。
我慢して生きてきたことは薄々自分でもわかってたし、でもそうやって生きてこなきゃいけなかった事情があったのに、そこを汲み取ってくれてないように感じました。
「よく今まで我慢してこられましたね。よく頑張りましたね」って言って欲しかったのに、これじゃあ今までの生き方を否定されたように感じてしまいました。
次のカウンセリングの料金まで先払いしているので、次も受けようとは思っているのですが、気が重いです。それに、モヤモヤしたままカウンセリング継続するのは、効果が半減してしまう気がします。
次のカウンセリングの時に、「前回のカウンセリングで、今までの生き方を否定されたように感じた」とカウンセラーさんに伝えても良いのでしょうか。
「それは自分で自分のことを否定しているから、そういう風に感じた」とか言われて、取り合ってくれないような気がしてしまいます(深読みかもしれませんが…)。
こういう時はどうすれば良いのでしょうか。アドバイスいただけたら幸いです。
よろしくお願い致します。
りんごさん (ご相談リンクはこちらです)
りんごさん、はじめまして!
心理カウンセラーのリエコです。
りんごさんは連続カウンセリングに取り組まれているんですね。
5回のカウンセリングに申し込むって、なかなか勇気がいることだったのではないでしょうか。
そのくらい、りんごさんにはどうしても解決したい課題があったんですね。
そして、3回のカウンセリングで育った信頼の分だけ、カウンセラーの言葉は重く心に響いてしまったのかもしれません。
ご相談文を読んでいくと、生きづらい状況の中でたくさんご自分と向き合ってきた方なのだろうなぁということがうかがえます。
今回は「カウンセラーの言葉に傷ついてしまったこと、伝えてもいいの?」というご相談でしたね。
りんごさんのモヤモヤが少しでも解消できるよう、私が感じたことを書かせていただこうと思います。
相手に「自分の想い」を伝えてみよう。
カウンセラーは、クライアントさんからお話を聞かせていただいて「いちばんよい」と思うことをしていきます。
例えば、心が痛んでいるなら癒すことに取り組み、問題が生じてぐるぐるしているなら俯瞰した視点を伝え、向かいたいビジョンがあればより近づける道筋を一緒に探っていく、というふうに。
モヤモヤしたままカウンセリング継続するのは、効果が半減してしまう気がします。
りんごさんがそう感じるのは、りんごさんがカウンセリングに求めているものが、癒しや安心感だからかもしれません。
信頼しているカウンセラーだからこそ、
自分の頑張りを認めてほしかったし、欲しい言葉を期待してしまうし、癒してくれる存在でいてほしい。
そう感じてしまうのは、りんごさんの心の痛みがまだまだ癒えていないことを教えてくれています。
りんごさんの痛みを癒すには、もう少し時間が必要だったんですね。
でも、りんごさんのカウンセラーさんは「そろそろ前に進んでもいいかな」と判断したのかもしれません。
それはもちろん、りんごさんにとって「いちばんよいこと」だと思ってのこと。
まさか傷つけてしまったなんて思っていないはずです。
次のカウンセリングの時に、「前回のカウンセリングで、今までの生き方を否定されたように感じた」とカウンセラーさんに伝えても良いのでしょうか。
ぜひ、カウンセラーにりんごさんの「今のそのままの想い」を伝えてみてください。
だって、多くの人に向けて発信する「ココロノマルシェ」と違い、「カウンセリング」はりんごさんのためだけのオーダーメイドな場なのですから。
伝える内容がどういうものであっても、そこにはりんごさんの「現在の心の状態」が表れています。
もしも「前回のカウンセリングで傷つきました」と伝えたなら、カウンセラーはりんごさんのその状態を受け止めて、今のりんごさんに「いちばんよい」と思うカウンセリングをしてくれるはずです。
そして、もしもカウンセラーから返ってきた言葉が納得のいかないものなら、
その気持ちもぶつけてみてください。
「そうはいっても、カウンセラーに苦言を言ったら、どうなってしまうんだろう??」
もしかしたら、りんごさんが不安に感じているのはソコかもしれません。
「自分の想い」を伝えることを躊躇するのは、なぜ?
りんごさんは、なぜカウンセラーに「自分の想い」を伝えることに躊躇があるのでしょうか?
なぜカウンセラーは取り合ってくれない気がしてしまうのでしょうか?
ご相談文を読んで私がいちばん気になったのは、このポイントでした。
次のカウンセリングの時に、「前回のカウンセリングで、今までの生き方を否定されたように感じた」とカウンセラーさんに伝えても良いのでしょうか。
次のカウンセリングの料金まで先払いしているので、次も受けようとは思っているのですが、気が重いです。
「それは自分で自分のことを否定しているから、そういう風に感じた」とか言われて、取り合ってくれないような気がしてしまいます(深読みかもしれませんが…)。
ここには、”りんごさん目線”でみた「カウンセラーとりんごさんとの関係性」が表れています。
★相手に傷つく言葉を言われても、自分の気持ちを抑え、苦言を躊躇する
★自分の気持ちを話しても、取り合ってくれないような気がしてしまう
まるで、相手を偉大な存在ととらえ、なんでも受け入れなければならないと構えているようにみえます。
この関係性のパターン、りんごさんにはお心当たりはありませんか?
我慢して生きてきたことは薄々自分でもわかってたし、でもそうやって生きてこなきゃいけなかった事情があったのに、
詳しい状況は書かれていませんが、もしかしたらこの部分とつながっているのではないかと感じたのですが、いかがでしょうか。
そして、これがりんごさんの人間関係の「パターン」になっているのだとしたら、とてもしんどいことですよね。。
*
カウンセラーに苦言を言ったら、これまでみたいに満足度の高いカウンセリングを受けられなくなってしまうのでしょうか?
いいえ、答えはNOです。
カウンセラーは、りんごさんの意見を聞いて、りんごさんの状態がわかってこそ、最もフィットしたカウンセリングを提供できるのです。
りんごさんが苦言を伝えることで、むしろ「満足度の高いカウンセリング」につながることになります。
でも伝えなければ、りんごさんはカウンセラーの言葉を一方的に受け取るのみ。
一方通行のコミュニケーションの中で、不満を抱え続けることになるでしょう。
欲しいものを「欲しい」と伝えなければ、相手には伝わらないですものね。
今回の出来事は、
「これまでのりんごさんのやり方では、ずっとしんどいままですよ」
「このパターンから離れるために、新しいやり方にシフトしようよ」
そんなことを、りんごさんに教えてくれるために起きた出来事なのかもしれません。
コミュニケーションの「新しいスタイル」を目指そう。
人間関係のパターンの多くは、子供時代に培われます。
「相手に傷つく言葉を言われても、自分の気持ちを抑え、苦言を言うことを躊躇する」
このパターンは、子供時代のりんごさんにとって、生きる上での処世術であり、最善だったのだと思います。
そうすることで、
・物事がスムーズに運んだり、
・愛されたり、
・怒られなかったり、
・心が傷つくことを抑えられたり・・
といったメリットがあったはずです。
でも、これって「子供時代のやり方」なんですよね。
このやり方を持ち続けて、今もし「生きづらい」と感じるなら、「子供のやり方」から「大人のやり方」にシフトする必要があります。
では、「大人のやり方」ってどういうものなのでしょう?
私が考える大人のコミュニケーションは、
「自分の意見を言葉にして伝え、相手の意見をそのまま受け止め、どちらの意見も大切にしたWin-Winの着地点を探ること」です。
これはあくまで理想論ですが、
一方的ではなく、双方の意見を交え、お互いが納得できる着地点を探れることが、大人のコミュニケーションだと思うのです。
*
それにはまず、「自分はどう感じ、どうしたいのか」を掴むことが必要になります。
この点については、自分の感情がわからない人もいる中で、りんごさんは自分の思いをはっきりとココに書いてくださっていますね。
それは、生きづらい状況の中でも、自分と向き合い続けてきた成果だと思います。
ご自分でちゃんと道を開いてこられんたんですね。
あとはそれを「言葉にして伝える」ところまで、高めてみましょう。
そして次に、相手の意見を受け止めること。
相手には相手の感じ方があり、意思があります。
期待通りの言葉が返ってこなくても、それが相手の考えなのだと受け取めます。
ここで大事になるのが「境界線」です。
境界線が曖昧だと、相手の言動に振り回されてしまったり、相手をコントロールしたくなってしまったりして、「お互いを大切にするコミュニケーション」から離れてしまいます。
自分と相手との間に境界線を引いて、相手を「自分の領域」に踏み込ませないこと。
同様に、自分が「相手の領域」に踏み込まないことも大切です。
そして最後に、どちらの意見も大切にした、お互いが納得できる着地点を探っていきます。
先ほど言いましたが、これはあくまで理想のカタチです。
でも、りんごさんの向かいたい「大人のコミュニケーション」の指標として、ココを目指してみるといいのではないかと思いました。
*
そこで提案なのですが、カウンセラーに練習台になってもらうのはいかがでしょうか?
カウンセラーの言葉に傷ついたことを、「大人のやり方」でコミュニケーションしてみるのです。
これまでやってきたスタイルを変えるのは、簡単なことではありません。
ぜひカウンセラーにサポートしてもらって、新しいスタイルを自分の中に確立してみてください。
その中で、りんごさんの中にある痛みをしっかりと癒していってくださいね。
「ネガティブコミュニケーションが上手にできると、人とのつながりが強くなる」といいます。
新しいスタイルへのシフトが
りんごさんの大きな癒しにつながりますように!
心理カウンセラー リエコ