幼い匿名さんの「寂しさ」をいちばん理解してあげられるのは、大人の匿名さんです。
「寂しい」の感情を、自分自身で満たせるようになると、その癒しを「相手に与えること」もできるようになります。愛でつながる関係性を築けるようになるんですね。
心理カウンセラーのリエコです。
今日は「ココロノマルシェ」に寄せられたご相談に回答します。
ココロノマルシェとは|根本裕幸カウンセラーのお弟子たちが回答する無料のお悩み掲示板です。
実家に帰って、自分の家に戻ると涙が止まらない
今まで当たり前すぎて、相談しなかったのですが
距離がある実家に帰って、東京の自分の家に帰ると涙が止まらなくなりとても胸が苦しくなります。
飛行機で帰らないといけない距離です。
普通ですか?
あるあるなのでしょうか?
私は彼に生活をみてもらってるので
気軽に帰れません。
部屋もほぼ同じなので、家族と電話する時も外に出てる時か、彼がいない時にしかしません。
なぜか隠してるような?
でも、実家に住んでるときも、誰かと電話する際外に出て電話するのが基本でした。
話してる内容を聞かれたくないと思うからです。
たまにしか帰れないから、寂しいのはわかるのですが大泣きします。我慢できません。
彼氏曰く、実家に1週間帰った時、私は彼に冷たくなったらしいです。
なので、一ヶ月とか帰られると別れを切り出されるのでは?と不安になるらしいです。
確かに、家族といるより彼といる方が癒しが足りなく感じるし寂しさをとても感じます。
(実家はお喋りで、妹と母と犬猫がいるから、暇な時は犬猫ともずっと一緒だから寂しくない)
でも、それだけが理由ではないとは思うのです。
幼少期に母と会えない時期がありました。
(離婚とか色々あって、父は他界)
母に会いたくても、会いたいと言ってはいけない
その幼少期の辛さがまだ残ってるのかとおもうのですが、どうしたらこの寂しさを取り除けるでしょうか?
実家に頻繁に帰ったら良い話なのでしょうか?
母と彼との間で、どっちにも罪悪感が湧いてしまいます。
匿名さん
匿名さん、はじめまして!
心理カウンセラーのリエコです。
「寂しい」気持ちで苦しくなってしまうんですね。
感じたくなくて何かでごまかたり、心に蓋して感じないようにする人も多い中で、感情をそのまま感じて表現できる匿名さんは、とても素直でまっすぐな方なんだなと思います。
>涙が止まらなくなりとても胸が苦しくなります。
>大泣きします。我慢できません。
実家から自宅に戻る時に「寂しい」と感じることはあっても、胸が苦しいほど寂しくなったり、大泣きが我慢できないほどの強い反応がおこるのはなぜなのでしょう?
匿名さんにとって「寂しい」はどんな感情なのか。
そしてどうしたらこの「寂しさ」を取り除けるのか。
ご相談文を読んで、感じたことを綴っていきたいと思います。
「寂しい」感情を掘り下げる
「寂しい」感情のルーツについては、匿名さんが書いてくださっていますね。
>幼少期に母と会えない時期がありました。
ご両親の離婚、家族が離れ離れになること、お母様に会えない寂しさ、生活の変化、母に会いたいと口に出して言えない環境。。
幼い匿名さんにとって耐えがたい感情が、そこにはあったのだと想像できます。
感情は感じることで昇華されますが、幼い匿名さんは「お母さんに会いたい」と言っいってはいけない状況に置かれていたことで、その強い感情を素直に感じることができず、心の奥に押し込めたのかもしれませんね。
もしそうであるなら、感情を素直に出すことが許される今、「お母様から離れる」という状況で小さな頃の痛みがうずいてしまうのは自然なことだと、私は思います。
>距離がある実家に帰って、東京の自分の家に帰ると涙が止まらなくなりとても胸が苦しくなります。
>たまにしか帰れないから、寂しいのはわかるのですが大泣きします。我慢できません。
匿名さんの心の中には、寂しい感情や感覚をひとりで抱えてうずくまっている幼い匿名さんが、今もずっといるのだと思います。
まずは、幼い匿名さんが抱えている「寂しい」感情を癒していきたいですね。
寂しさを癒す:自分に寄り添う
感情は感じることで昇華されます。
なので、一番シンプルなのは「感じること」。
具体的に言うと、心に浮かんだ感情をそのまま受け止め、思考を働かすことなく感じ続けます。←匿名さんはお上手ですね!
幼い頃の感情を昇華するときには、「幼い匿名さん」が抱え込んできた想いや寂しさの感情を、「大人の匿名さん」が隣で寄り添いながら、思う存分感じさせてあげるイメージをもってみるといいと思います。
寂しかったよね。
心細かったよね。
でも、誰にも言えなかったよね。
よく頑張ってきたね。。
「お母さんに会いたい」と素直な気持ちを口にできなかったのは、お父様や周りの人への思いやりだったのかもしれませんね。そんな健気な気持ちをいちばん理解してあげられるのは、大人の匿名さんなのです。
「子供のやり方」から「大人のやり方」へ
幼い頃に心の奥に押し込んだ感情は、「感じた時のまま」私たちの心の中に残り続けます。
そうなると、大人になってからもその感情に対しては子供時代の感覚(当時の感覚)が戻るため、「子供のやり方」で満たそうとすることがあります。
子供のやり方とは、ひとことで言うと「誰かに満たしてもらうこと」。
未消化の感情を誰かに満たしてもらうことで埋めようとするのです。
無理もないですよね、だって子供に植え付けられた感情ですもの。子供はできないことが多いから、大人に助けを求めます。
でも、子供のやり方を持ち続けると「誰かに与えてもらう関係性」で人とつながり続けることになり、大人の成熟な関係性を築くことができません。
では「大人のやり方」とはどんなことを指すのでしょう?
それは、自分の感情を「自分で満たすこと」です。
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匿名さんの心をみていきます。
>たまにしか帰れないから、寂しいのはわかるのですが大泣きします。我慢できません。
>確かに、家族といるより彼といる方が癒しが足りなく感じるし寂しさをとても感じます。
匿名さんは、子供の頃のやり方のまま、寂しい感情を「誰かに満たしてもらう」ことで埋めようとしているのかもしれません。
そう考えると、この部分にも納得がいきます。
>彼氏曰く、実家に1週間帰った時、私は彼に冷たくなったらしいです。
実家にいる時は寂しさをお母様が満たしてくれるから、彼に癒しを求める必要がなくなります。
彼にとって、実家にいる時の匿名さんは、いつも一緒にいる匿名さん(=自分に癒しを求めてくる匿名さん)じゃないから、それを「冷たくなった」と感じたのかもしれません。
>母と彼との間で、どっちにも罪悪感が湧いてしまいます。
匿名さんがそう感じるのは、どちらからも「与えてもらっている」という意識があるからではないでしょうか?
「寂しい」という感情は匿名さんにとってキーになるような特別な感情です。だから、もしかしたら「寂しさを癒してほしいと求めること」が匿名さんの愛情表現になっているのかもしれませんね。甘えたり、とかね。
そうみるなら、実家にいる時はお母様の癒しに満たされるわけなので彼への要求(愛情表現)が小さくなり、自宅ではその逆が生じて、そこに罪悪感が生まれるのかもしれません。
寂しさを癒す:「寂しさ」でなく「愛」でつながろう
寂しさを感じた時、誰かに癒してほしくなることって誰にもあることです。
でも、「誰かに癒してもらう」のほかに「自分で自分を満たす」という選択肢がないと、相手に依存することでしか自分を満たせなくなり、「寂しい」の感情で相手とつながり続けることになるのです。
匿名さんの中にある「寂しい」の感情を、自分自身が寄り添い満たすことができると、その癒しを「相手に与えること」もできるようになります。
愛でつながる関係性を築けるようになるんですね。
それが大人の成熟した関係性には必須であると、私は考えます。
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愛は「受け取ること」と「与えること」、その両方があって循環します。
彼からもご家族からも愛情を向けられている匿名さんは、受け取ることは上手にできる方だと思います。なので、「寂しさ」の感情を癒せたあとの次のチャレンジとしては、「与えること」に意識されると、現在の関係性を「求めあう関係」から「与えあう関係」に高めていけるようになるのではないかな。
ポイントは、「まずは自分を満たして、余裕の部分で与えていく」こと。お互いが犠牲せず与えあうイメージです。
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自分の感情を癒すとき、自分で自分を満たすとき、大切になるのが「自分に寄り添う」ことです。言葉だけみれば簡単ですが、実際やるとなると掴みどころなく感じられるかもしれません。
ひとりで感覚を掴むのが難しいと感じたら、カウンセラーを頼ってみてくださいね。
「寂しい」と感じるのは、「愛に満たされた状態」を知っているから。
匿名さんは、すでに愛で満たされた状態を知っている方なのだと思います。
寂しさを癒した匿名さんが、周りの人と愛でつながる新しい関係性を築いていけますよう、応援してます!
この回答が少しでもお力になれましたら幸いです。
心理カウンセラー リエコ