★「苦手」と感じる感情へのアプローチ
★「苦手」と感じる自分へのアプローチ
心理カウンセラーのリエコです。
今日は「ココロノマルシェ」に寄せられたご相談に回答します。
ココロノマルシェとは|根本裕幸カウンセラーのお弟子たちが回答する無料のお悩み掲示板です。
美男美女が苦手です
見た目が美男(イケメン)、美女(美人、かわいい)の方が苦手です。
大変失礼ながら、見た目が普通の方は苦手を感じません。
仕事だけの表面的な関係でも、偶然私を接客することになってしまった店員さんや、道ですれ違っただけの全く知らない方でも私のような者が視界に入ってしまって申し訳ないと感じます。
同じ空間にいても相手に認識されていない場合(電車の中や、不特定多数がいて誰とも目が合っていない時など)は大丈夫です。
苦手意識を克服する方法はありますか?
りーさん(ご相談リンクはこちらです)
りーさん、はじめまして!
心理カウンセラーのリエコです。
りーさんが感じる「苦手」の感覚。
ご相談文からは、「これって、なんなんだろう?」という戸惑いが伝わってきます。
「よくわからないネガティブな感覚」ほど不快なものはないですもんね。
もし直接お話しできるなら、この「苦手」の感覚について詳しくお聞きしたいのですが、
今回はご相談文から情報を拾って解決策を探っていきたいと思います。
りーさんにとっての「苦手」とは?
りーさんは、「美しい」と感じる対象に対面すると、気持ちが萎縮してしまうようです。
「同じ空間にいても相手に認識されていない時は大丈夫」ということですから、相手と自分とが向き合った状態の時に、りーさんの中で何かが起きるのでしょう。
とするなら、
りーさんが「苦手」と表現しているのは、
「目の前の相手」ではなく、
目の前の相手と向き合った時に生じる「自分の中の感覚」を指しているのかなと思ったのですが、
いかがでしょうか?
>苦手意識を克服する方法はありますか?
考え方として、2つあると思いました。
ざっくりと言うと、
1つ目は「苦手」と感じる感情へのアプローチ、
2つ目は「苦手」と感じる自分へのアプローチです。
「苦手」と感じる感情へのアプローチ
同じ状況で何も感じない人がいる中で、りーさんが「苦手」の感覚に襲われるのはなぜなのでしょう?
それについて、「そうなるにはそうなる理由がある」という考え方から、
過去にさかのぼって苦手意識の大元を探り、
そこで経験した痛みを癒していくのが1つ目のアプローチです。
例えば、過去にこんな出来事はありませんでしたか?
- 「美しいと感じる人」と比較されて嫌な気持ちになった
- 「美しくある」ことを求められ、しんどい思いをした
- 「美しい」と感じた人に不快な思いをさせられた などなど。。
もしもお心当たりがあるなら、りーさんは「美しい人」と対面することでその時に感じた不快感を思い出し、その不快感が「美しい人が苦手」と感じさせてしまうのかも知れません。
行動パターンを作ってしまうくらいですから、その出来事はりーさんにとって、インパクトの大きい出来事だったと思うのです。
なので、過去を掘り下げる作業は、痛みが大きいほどしんどいものになるでしょう。
ですが、ルーツに気づくことで得られるメリットは、それ以上に大きいものです。
❶その苦手の感覚を「思考」で理解できること。
自分が苦手に感じていたのは「目の前の人」ではなく「過去のあの人」だったのだ…ということに気づき、腑に落ちると、
「美しい人」に対して日常的に感じていた「苦手」の感覚は緩んでいくはずです。
❷「感情」の昇華にとりかかれること
ルーツに気づくことでやっと「感情」の昇華、すなわち自分を癒す作業に取り掛かれます。
りーさんの苦手意識は、「あなたの中に過去の痛み(感情)がまだあるよ」ということを教えてくれています。
そしてその感情は、感じることでしか解消されません。
では、その「過去の痛み」はどうして感じきらずに残ってしまったのでしょう?
それは、その痛みが、当時のりーさんが受け止めきれないほど大きなものだったから。
感じてしまうとダメージが大きすぎるから、「苦手」という感情で蓋をして、それ以上感じなくてもいいように隠してしまったのでしょう。
その蓋の下には、どんな感情があるのでしょうか?
今回りーさんが「苦手意識を手放したい」とご相談くださったのは、もしかしたらこの感情と決着をつけるためなのかもしれません。
その感情を感じている「過去の自分」に寄り添う気持ちでもういちど当時の出来事を振り返り、その時の感情を感じてみてください。
感情は「感じること」で昇華され、昇華できると心の中に余裕ができます。
すると、それまでとは違う受け止め方ができるようになり、りーさんの苦手意識にも何かしら変化があるのではないかと思いました。
「苦手」と感じる自分へのアプローチ
苦手意識を克服する方法の2つ目は、「苦手」と感じる自分の意識に働きかけるアプローチです。
1つ目が傷を治療するイメージであるなら、
2つ目は傷に負けない強い体を作るイメージでしょうか。
私たちは、何かに怖れを感じると、ついつい受け身になってしまいます。
なので、りーさんの中に何かしらの痛みがある時、相手と向き合うことで自分の感情が揺るがされてしまうのは、とても自然なこと。
でも、もしも苦手を克服しようとするなら、揺るがない自分になるゾという「覚悟」が必要になります。
そのために、こんな視点を持ってみるといいんじゃないかなと思いました。
❶俯瞰的な視点をもつこと。
私たちは問題を抱えると、その問題にひっぱられて、俯瞰した視点を持てなくなってしまいます。
問題から目が離せなくなり、視野が狭くなってしまうんです。
すると、気持ちがドーンと落ちて、相手と自分を比較して絶望したり、自分を責めたり。。
その問題が切実であるほど沼にハマって、ぐるぐるしてしまうのです。
でも、何かのタイミングで「いま自分は問題の沼にハマっている」と自覚できると、その沼から一歩離れることができます。
「沼にハマっている自分」を眺めている自分は、渦中にいる自分よりも少し高い視座にいるということですもんね。
その視座から自分を眺め、「こういう時って物事を深刻に捉えがちなんだよね‥」と俯瞰できると、
必要以上に自分を責めることがなくなっていくでしょう。
❷自分が自分のいちばんの味方でいること
気持ちが落ちてしまった時、私たちはつい 自分に対する「賞賛の声」よりも「批判の声」を採用してしまいます。
しかも、自分がいちばん毒舌なんですよね。
相手と自分とが向き合った状態というのは、「比較が生まれやすい状態」とも言い換えられます。
もしもりーさんが、「美しいと感じる人」と「自分」とを比較した時、
その毒舌を自分に向けてしまうことが苦しくて「苦手」と感じてしまうのなら、
自分の毒舌に傷ついている自分を俯瞰して眺め、その自分に寄り添う気持ちを持ってみてください。
もしも「自分に寄り添う」がよくわからなければ、「もしもそれが大切な友達だったら、私はなんて声を掛けてあげるかな?」と考えてみるとよいと思います。
そして、その声を自分に掛けてあげてください。
- そんなふうに感じちゃうんだね、それはしんどいね。
- あなたにはあなたの魅力があるよ。
- さぁ、気分がよくなることをしましょ。
それは一言でいうと、「自分が自分のいちばんの味方でいる」ということです。
理屈ではわかっても、これまで意識したことがない方にとっては簡単ではないかもしれません。
なぜなら、自分に寄り添うマインドは、育てていくものだからです。
でも、自分のいちばんの味方になって、自分と励まし合いながら進むイメージを持てると、
自分を否定することが少なくなり、日常のあらゆる場面で「強い心」でいられます。
自分にいちばん厳しいのは「自分」といいましたが、
自分がいちばん欲しいやり方で自分に癒しを与えられるのも、
いちばん元気の出る方法でねぎらえるのも、
「自分」なんですよね。
萎縮してしまいそうな場面に遭遇しても、
自分の中に支えを持つことができれば、
「苦手」を感じた時のりーさんのダメージも和らぐのではないかと思いました。
*
回答は以上です。
「自分のことは、自分がいちばんわからない」といいます。
ひとりで向き合うのが難しい時には、カウンセラーを頼ってくださいね!
この回答が少しでもお力になりましたら幸いです。
心理カウンセラー リエコ